Block House

exhibition

森山泰地個展『尊景地水』

2016年05月19日 > 2016年05月31日
exhibition
■会 期

2016年 5月19日(木)〜5月31日(火)

■会 場

BLOCK HOUSE
B1 GALLERY 
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東京都渋谷区神宮前6-12-9 | tel 03-6318-2003

■オープニングレセプション■

5月20日(金)19:00-21:00

私 はハシゴを使って地中をずっと下りていく。何かを登る人もいるけどなぜか私はハシゴで地中を下りている。もう10年くらい経っただろうか。やっと底の岩盤 にたどりついた。底を歩いてみると、どうやらこの下にもさらに空間があるらしい。穴から覗いて見てみると、地底の底の底には水があった。その水は静かにそ こに留まっている。たまーに岩盤の裏から水滴が落ちて水面に波紋を作る。そしてまた治まり静止した水面になる。不思議なことに水滴が落ちたときだけにしか 水を認識できない。あまりにも静かすぎる水だからだろうか。私はとても柄の長い柄杓で水を掬ってみた。柄杓が水に浸かった瞬間、止まっていた水が大きく動 いた。とても長い時間止まっていたものが今動いた。ハッとする。慎重に柄杓の柄を手繰る。水面には大きな波紋ができている。水はとても綺麗で、ガラスに 入ったヒビのような色をしている。飲んでみると、地上にいたときに山で川の水を飲んだときの川の景色が頭に浮かんだ。とても鮮明に。10年ぶりに飲んだ 水。遠ーくの方で水の流れる音がしている。

ここはいくつもの水脈が集まり滞留している、水脈と水脈の間のような場所なのかも。いつかはこの水が間欠泉のように地上に吹きだすだろう。

森山泰地(もりやま・たいち)は1988年、東京生まれ。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業、東京藝術大学美術研究科彫刻専攻修士課程修了(2016年)。

「景 色を見たり、場所に立ったときにその場所にある色々な要素を観察し、その場所がどうしてこうなったのか、これからどうなるのかを想像する」という自身の制 作過程を最大限に活かしながら、今回の尊景展では「地下」という会場の場所性を最大限に活かしたインスタレーションに期待が集まります。

***
『尊景』

■参加作家

菊地良太(企画)

川崎昌平

松井克文

森山泰地

■総合会期

2016年4月27日(水)~ 6月04日(土)

順次4箇所にて、菊地良太の企画する展覧会『尊景』が開催されます。菊地自身を含む4名のアーティストがそれぞれ「尊景」というテーマの元、環境の内と外の関連性に着目し、そこに敬意を払うそれぞれの作風を最大限に活かしながら、「個展」の枠組みの境界線を押し広げる展覧会の開催となります。
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