Block House

exhibition

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オオカミの眼 −The Iris of a Wolf

2017年12月13日 > 2017年12月27日
exhibition
大小島真木、小笠原鳥類、川村元紀+山形一生、小石ちかさ、桜沢直毅、佐藤雅晴、関川航平、チバガク、坪山斉、山本悠
会期:2017年12月13日(水)〜12月27日(水)13:00 – 20:00
月曜日(12/18, 25)休館・入場無料
会場:Block House (B1F, 4F) 渋谷区神宮前6-12-9

オープニング・レセプション:2017年12月16日(土)17:00 – 20:00
桜沢直毅ライブ:2017年12月16日(土)18:00 – 19:00

企画/キュレーション:大下裕司
協力:アイランドジャパン株式会社、イムラアートギャラリー、KEN NAKAHASHI、思潮社、Mile Paxton、ラディウム-レントゲンヴェルケ

 絵画やイラストとして描かれるオオカミには、青い眼を持つものがいる。ゲームや漫画、アニメなどで出会ってきた彼らの青い眼は、私たちにとって雪原あるいは荒野などで、遠吠えと共に想像するに難くない。しかしながら、生物学的に青い目の狼は存在しない。狼はどの国の、どの亜種もみな、金色の目を持つのみである。
 この国が政策として、人為的に絶滅させた最初の動物であるオオカミ。故に今や描かれるままに彼らの持つ青い眼は、オオカミそのものが不在のままでありながらも実感する視線、気配、そして目配せを表象している。私たちの世界に青い目の狼が居ないのであれば、その青い目の狼にとって、「居ない」とは何か。そうした成されない弱さそのものの中で、表現とはどのように表現であることが可能であろう。
 10組11名の作家がそれぞれに単独者として成そうとするこの群れは、展覧会として、その眼がいつから、なぜ青く描くようになったのかということを探るものではない。それは不在が持つ、いないはずのものから得る実感、あるいはアクチュアリティについて、作品から触れることを目的として企画される。その青は、私たちの見ている空や海を映すものをうつすものとなる。

大下裕司

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《TOP画像キャプション》
左:佐藤雅晴《オオカミになりたい》2017年、シングルチャンネル・ビデオ、ループ
右:©︎小石ちかさ, 2017


《出展作家プロフィール》
大小島真木
OHKOJIMA Maki
1987年東京都東久留米市生まれ。2011年女子美術大学大学院修士課程修了。2009年トーキョーワンダーウォール賞、2014年VOCA奨励賞受賞。2017年にはアニエス・ベー主宰による海洋調査船タラ号のプロジェクトに参加した他、南沢氷川神社に天井画を奉納、多摩六都科学館のプラネタリウム全天88星座の原画を制作した。主な個展に「鳥よ、僕の骨で大地の歌を鳴らして」(第一生命ギャラリー、東京、2015)など。現在、府中市美術館にて「大小島真木 万物の眠り、大地の血管」公開制作、「アグロス・アートプロジェクト 明日の収穫」(青森県立美術館、2017-18)に参加している。
Web: http://www.ohkojima.com/
Twitter: https://twitter.com/ohkojima

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《46億年の記憶》(部分)2017、木の板、布、糸、革、鉛筆、ダーマート、アクリルトレーシングペーパー、葉、乾燥した花びらサイズ可変
Photo by Serge Koutchinsky

小笠原鳥類
OGASAWARA Chorui
1977年岩手県釜石市出身。詩人。早稲田大学卒業。1999年第37回現代詩手帖賞受賞。2004年詩集『素晴らしい海岸生物の観察』(思潮社)で第15回歴程新鋭賞を受賞。主な詩集に『テレビ』(思潮社、2006年)、『夢と幻想と出鱈目の生物学評論集』(archaeopteryx、2015年)、『小笠原鳥類詩集』(思潮社現代詩文庫、2016年)など。その他「現代詩手帖」(思潮社)、「ユリイカ」(青土社)などで作品を発表している。文章の構造を組み替えた、主語や述語にとらわれない文章を基調とした現代詩を多く発表している。
Blog: http://tomo-dati.jugem.jp/

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現代詩文庫『小笠原鳥類詩集』表紙(思潮社刊、菊地信義装幀)

川村元紀+山形一生
KAWAMURA Motonori + YAMAGATA Issei

川村元紀
1984年静岡県生まれ、東京在住。2008年金沢美術工芸大学油画専攻卒業。2015年群馬青年ビエンナーレ2015入選。主な個展に「Undefined Nests」(芸宿、金沢、2016)、「牡蠣座」(HIGURE17-15cas、東京、2015)、「最高速でぶれる崖」(CAI02、札幌、2014)、主なグループ展に「引込線2017」(旧所沢市立第2学校給食センター、埼玉、2017)、「クロニクル、クロニクル!」(2016-2017、Creative Center OSAKA、大阪)など。
Web: http://kawamuramotonori.com/
Twitter: https://twitter.com/wamulamo

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《Undefined Nests》2017、250cm x 200cm x 200cm、鉄、FRP、粘土、麻紐
Photo by Yuji Oku

山形一生
1989年埼玉県生まれ、東京在住。東京藝術大学美術研究科絵画専攻修了。主な個展に「スタンダード・サプレッサー」(東京ワンダーサイト本郷、2015)、主なグループ展に「Party」「Surfin’」(共に東京、2017)のほか、Digital Humanize(東京藝術大学陳列館、2015)、SPVI (Turner Gallery、東京、2014)、東京アートミーティング 共感覚実験劇場(東京藝術大学美術館、2013)など。
Twitter: https://twitter.com/isseeeei
Web: http://issei.in/

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《Untitled (stingray)》2017、Monitor on floor, PET bottle, Motor, Program

小石ちかさ
CHIKASA
漫画家、イラストレーター。ケモノや人外、奇形などをテーマに、商業誌への掲載のほか、同人誌で作品を発表している。
Twitter: https://twitter.com/koishi_chikasa
Pixiv: https://www.pixiv.net/member.php?id=87145

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©︎小石ちかさ, 2017

桜沢直毅
SAKURAZAWA Naoki
音楽家。フリー・インプロビゼーション、微弱音、非楽音をアコースティックギターによって追求する。

佐藤雅晴
SATO Masaharu
1973年大分生まれ茨城県取手市在住。1996年東京芸術大学美術学部油画学科卒業、1999年東京芸術大学大学院修士課程修了。2000年から2002年にかけて、国立デュッセルドルフクンストアカデミーにガストシュラーとして在籍。2009年第12回岡本太郎現代芸術賞特別賞受賞。主な個展に「ハラドキュメンツ10 佐藤雅晴―東京尾行」(原美術館、東京、2016)、主なグループ展に清流の国ぎふ芸術祭2017(岐阜県美術館、岐阜、2017)、「日常/オフレコ」(神奈川芸術劇場、横浜、2014)など。
Web: http://masaharu-sato.tumblr.com/

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《HANDS》2016-2017、シングルチャンネル・ビデオ、33’00”ループ

関川航平
SEKIGAWA Kohei
1990年宮城県生まれ。2013年筑波大学芸術専門学群特別カリキュラム版画コース卒業。主な個展に 「以外の見る、を見る」(SEZON ART GALLERY、東京、2017)、「figure / out」(ガーディアンガーデン、東京、2017)、主なグループ展に「BankART Life Ⅴ〜観光」(BankART NYK、横浜、2017)、「SICF18 PLAY」(スパイラル、東京、2017)「あざみ野コンテンポラリーvol.7 悪い予感のかけらもないさ展」(横浜市民ギャラリーあざみ野、横浜、2016)など。
Web: http://ksekigawa0528.wixsite.com/sekigawa-works

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《片耳をふさぐ》2017、パフォーマンス
撮影:市川勝弘、画像提供:スパイラル/株式会社ワコールアートセンター

チバガク
CHIBA Gaku
東京生まれ。2014年武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。2012年第18回学生CGコンテス 評価委員賞。主なグループ展に「ア・ワールド・ピクチュア:How do you make a world picture?」 (EARTH+GALLERY、東京、2013)、「THE EXPOSED #7」(G/P+g3/ gallery、東京、2014)、「アートアワードトーキョー丸の内 2014」(行幸地下ギャラリー、東京、2014)など。
Tumblr: http://chibagaku-blog.tumblr.com/
Twitter: https://twitter.com/g_chiba

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《study(B-C)》2017

坪山斉
TSUBOYAMA Hitoshi
1981年宮城生まれ、福岡在住。2010年東京藝術大学大学院美術研究科油画技法材料第一研究室修了。2014年ワンダーシード2014入選。主な個展に「symbolic」(ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京、2017)、主なグループ展に「縹渺-巧術其之伍」(スパイラルガーデン、東京、2014)、見ること・描くこと - 油画技法材料研究室とその周縁の作家たち - (東京藝術大学大学美術館、2014)など。
Web: http://www.hitoshitsuboyama.com/
Twitter: https://twitter.com/htsuboyama

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《The One/ Iris #5》2017、アクリル、キャンバス、162x162cm

山本悠
YAMAMOTO Yuu
1988年埼玉生まれ、イラストレーター。2013年、主演作品「悠になりたかった犬」でドラマデビュー。主なグループ展に「フィットネス.」(2016、アキバタマビ21、東京)、「マテリアライジング展Ⅲ 情報と物質とそのあいだ」(2015、京都市立芸術大学ギャラリー、京都)、「であ、しゅとぅるむ」(2013年、市民ギャラリー矢田、愛知)など。
Web: http://yuuyamamoto.jp/
Twitter: https://twitter.com/yuuuuuuuuuuuuuu

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《クリスマスのリハーサル》2016
Photo: 鹿
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