Block House

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TOMOMI NISHIZAWA

西澤知美は東京藝術大学在籍時より学内外で積極的に作品発表の場を設け、美術のコンテクストに捉われないアプローチで制作活動を行ってきました。その作品は学内で高い評価を得て、学部課程と修士課程をともに首席で修了し、現在は若手の美術家としてその活動の域を拡げています。
西澤の作品は極めて私的な自らの日常に根ざしており、現代的な女性を喚起させる美容や化粧といったモチーフは、若年の女性を中心に多くの人々の共感を得るものです。それらは時として医療や整形外科のイメージに重ね合わせられるように、西澤にとって美容・化粧とは、身体の表面を覆う副次的な要素を超えて、時として身体そのものを変容させ得る行為として存在しています。
美の追求は普遍的な欲望の一つですが、私たちの生活にありふれた日常的な行為からそのような美の在り方を考察する西澤の方法論は決して華やかさに終始することなく、美術という分野が担ってきた批評的な役割を常に有しています。一見綺麗にディスプレイされた彼女の作品の異様なコンポジション、あるいはディテールに込められた執拗なまでの作為に気付くとき、私たちは現代のリアリティーへと差し向けられた彼女独自の視点に触れることになるでしょう。
テキスト:小林真太郎
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